3連休2日目(江戸川攻略編)
10月10日。
その標識の内容は、こう解釈出来た。
『この先、有料道路につき自転車侵入禁止』
ご丁寧にも、自転車の絵に、その物体がまるで親の敵であるかの様に、左上から大きな赤い斜線が書いて引いてあった。
兎にも角にも、オレは今まで走って来た道を通る事ができなくなってしまったのである。江戸川にも到達していない状況なのに。
しばらく標識を眺めていたが、それで何かが変わる訳でもない。とりあえず、有料道路入口を右手に見る形で、そのまま側道を走ってみる事にした。側道を進めば何とかなるだろう。
しかし、オレの目論見は呆気無く崩れ去る。100m程度でT字路となってしまったのだ。前方には川。おそらく江戸川に違いない。川向こうは千葉県なのに行き止まりである。頭上には川の遥か向こうまで伸びている有料道路が走っている。自転車禁制の道、何て憎たらしいんだ。
左右を見渡しみてが、川を越える道は見えない。さて、どちらに行くか?直感で右を選択。土地勘のない場所で、デカイ道路を外れのはなかなかの恐怖である。
少し進むと、運が良い事に制服を着て交通整理をやっている男がいた。何たる幸運。道を尋ねる事ができるじゃないですか。車の往来が一段落した所で、
「すいません、ちょっと道をお尋ねしたいんですが」
「はい」
「とりあえず江戸川を越えて、えーと(ここで突然思いついた)船橋方面に行きたいのですが、どうすれば良いでしょうか?」
男(20代前半)は驚いた顔した。
「え?船橋?かなり距離ありますよ。この道を少し行った先に水門があるんで、そこに向かう道に入れば川を渡る事ができます」
距離があるか。何を言ってんだよ。オレは新宿区早稲田から走って来てるんだぜ。
「船橋はあっちの方向なので、進んでいけば標識があるかと思います」
最後の説明は随分アバウトになっていたが、それでも男は船橋があるであろう方向に赤色の誘導灯(未点灯)を向けて道を示してくれた。
「どうもありがとうございます」
と一礼。
男の言う通りに進むと、程無くして橋に辿り着いた。その名は行徳橋。ついに念願であった千葉県入りを果たした。だが、これで終わりじゃない。あの爽やかな男に思いつきで言った時点で、目的地は船橋となったのだ。そこまで行かなければ、男じゃないでしょ。折角、彼が方向だけでも教えてくれたのだから。
いつしか夕陽は沈み、辺りには夜の帳が降り始めていた。
つづく。
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