カテゴリー「読みモノ」の31件の記事

2008年6月10日 (火)

驚嘆した

杉山茂樹/4-2-3-1 サッカーを戦術から理解する★★★★★
サッカーは布陣でするものであるか?これが最大のテーマとして描かれている。

「はじめに」から完全に捕まれた。

ジャイアントキリングに偶然はない。確かな理屈に裏付けられた必然がある』と豪語し、『理屈の源は、ピッチの上に描かれる模様(すわなち布陣と言いたいのだろう)である』と結んでいる。

世界の戦術家たる名監督の言葉が、とにかく素晴らしい。それらが鋭く突き刺さってくる。長らくサッカーを見続け、継続的に専門誌にも目を通してきて、多少はサッカーについて分かっていると思っていたが、それは大きな思い違いだった。目から鱗の話ばかり。

数々の大番狂わせ及び名勝負をフォーメーション、監督の采配を軸に、詳細に、分かり易く解説している。

とりわけ印象に残ったのは、EURO2004の優勝国ギリシアについて書かれていた箇所。ギリシアは決して守備的ではない。ギリシアの布陣は実は、攻撃的サッカーの絶対条件に適っていたと記されている。4年間、ずっと勘違いしていた事に気付かされた。EURO2004を見た人、そうだったんですよ。

もう1つ、強烈なアタッカーを抑え込む最も有効な手段についての記述は強烈なインパクトを与えてくれた。イビチャ・オシムの『もはやロナウジーニョはスーパースターではない。死んだも同然の選手になる』という言葉が、鮮やかに浮かび上がる。

この本を最後まで読んだ今、オレは85%程度だが、ジャイアントキリングに偶然はない。そしてサッカーは布陣でするものだという気持ちを抱くに至っている。

この本で語られている事が全てではいだろう。だが、サッカーとは、戦術とは何たるかを知る事ができ、よりサッカーが好きになったような気がする。

完璧な良書です。

岡田ジャパンのスタッフには是非とも読んでもらいたい。

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2008年5月28日 (水)

官僚とはかくあるべき

今野敏/隠蔽捜査★★★★☆
吉川英治文学新人賞受賞作品。タイトルが示すように、またもや警察小説です。

主人公の竜崎は警察庁長官官房でマスコミ対策を担当している。彼は周囲の人と絶妙な距離間を保ちつつ、与えられた任務を迅速に、そして確実に遂行する。

彼は本気でこう思っていた。官僚は、選ばれた人間であり、国家をより良いものにするために、身を粉にして働かなければならない。それが、エリートたる者に課せられた使命であると。彼は、己の信念に忠実に従って生きている。

ある日、連続殺人事件が起こる。捜査が進み、浮かび上がってきた事実は警察組織そのものを揺るがすものであった。同じ頃、竜崎の家庭内でも大きな問題が発覚する。追い詰められる竜崎。

だが、彼は揺るぎない信念を、言い換えれば彼の正義を貫き通すために、組織に蔓延するしがらみと真っ向から挑んでいく。そんな話。

最初はイマイチだと感じていたのだが、読み進めるうちに竜崎という男の生き様に共感したいったという感じ。竜崎を好きになれなかった人は、おそらくこの小説自体の評価が低いという事になるでしょう。

ここで、竜崎の考える教育論を。以下印象に残ったものを抜粋。

受験という制度は、何かと批判の対象になる。竜崎は負け犬たちが批判しているだけだと考えていた。

事実、東大に入学して、学生たちが受験について批判的なことを言うのを聞いたことがない。戦場にいる者は戦争の批判をしない。また、戦争に勝った者も戦争の批判をしないものだ。

発想を豊かにする教育などと、ばかなことを言っている教育評論家がいるが、人間、追いつめられたときの発想力こそ大切なのだ。追いつめられたことのない人間に本当の発想力など芽生えるはずがない。

詰め込み教育などという言葉があるが、知識は詰め込まなければ増えはしないのだ。子供に好き勝手させていたら、漢字は覚えないし、九九も覚えない。


納得だし、面白い。


警察小説と言っても、横山秀夫のような、ともすると胸が重くなるようなドロドロとした人間関係は描かれていない。部署間での必要最低限の確執があるといった程度。竜崎の立ち回りは、余りにも完璧過ぎるしね。

小学校時代の同級生伊丹の存在が実に効いていた。伊丹はもちろん竜崎の同期で、東大ではない有名私大卒であるが故に、決して頂上まで登り切る事ができないキャリア警察官。竜崎は勉強しかできないガリ勉タイプであり、伊丹は勉強・運動共にできるリーダー的存在。そして、竜崎は伊丹にいじめられていたのである。

冷徹な竜崎も伊丹と話す時は、妙に感情的になる。その辺り、非常に良かった。

途中までは★3つだと思っていたのだが、終盤に一気にまくられた。警察小説なのに清々しさの洪水が襲ってくる。竜崎は官僚の鏡だ。こんな奴ばっかりだったら、きっと日本は素晴らしい国になるだろーなと思った。

それに引き換え、日本のトップ福田康夫と来たら。ふう。大変だ。

さて、「ナニコレ珍百景」でも見よう。この番組の緩さは嫌いじゃない。

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2008年5月22日 (木)

焦燥感まるで無し

再三再四に渡り語っている「ちょっとした物語」の話。

脳内で3、4のエピソードが、まるで鴨長明の「方丈記」の冒頭の『よどみに浮かぶうたかた』のごとく、浮かんでは消え、また浮かぶ、という事を繰り返している。

先日yuさんと昼飯を食う機会があったのだが、その時、掻い摘んでストーリーの内容を話してみた。笑顔で、サラリと酷評できる人なので、サンプルには丁度良い。

「どんな感じの内容にするの?どーせ、ヒューマンって言うんでしょー?」
「まあヒューマンと言えばヒューマン」

以下、荒くストーリーを話す。

「なんかちょっと泥臭い感じが、tksちゃんっぽい」
さらに、主人公の行動について話す。
「自分の経験も活かさないとね」

「でも、結局はストーリーそのものよりも、どれだけ上手く表現するかじゃないかだと思うよ。さっきのストーリーも書く人が書いたら、絶対面白い小説になるよ」

ホント、その通りだ。

どれだけ魅力的な文章を書けるか、これが作品の質を大きく左右する。肝心のストーリーに対する評価だが、自分勝手に、概ね好意的に受け入れられたという事にしている。

ただ、この話を書くかどうかは未定。オレの現在の気持ちは、タイトル通りなので。

今週も残り1営業日。適度に忙しいので、そこそこに疲れてはいるが、反面、時間の進むスピードは早いと感じる。

がんばっていきまっしょい。


BGM
NICKELBACK/Animals
(単調、単純でパワー全開。このバンドらしい曲。好きだ)
Stevie Ray Vaughan and Double Trouble/Life Witout You
(名曲。酒がよく似合う。)
Rhapsody/Emerald Sword
(シンフォニックメタルの究極形。久々に聴いて感動)
Asia/Don't Cry
(キャッチ―なのに哀愁があり、爽快感すら得られる。大学初期に聴き倒した)
Pearl Jam/Rearviewmirror
(2ndに収録されている。ギターカッコ良すぎ)

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2008年5月 3日 (土)

パワーゲーム

GW後半のスタート。

前日の酒が残っている感は否めないが、今日はやるべき事が山ほどあって、忙し過ぎる。行動は朝一からと決めて、アルコールに支配されつつあった脳を何とか働かせ、携帯のアラームをセットしてベッドに入り込んだ。

そして、あの苦々しい規則的な騒音に、見事に屈しため、早めの起床に成功する事となった。

現在は、洗濯中。連休明けまで洗濯物を溜めるのは不可能と判断した。暇なので駄文更新。

横山秀夫/震度0★★★★☆
阪神大震災の前日、N県警警務課長不破義仁が忽然と姿を消した。不破は、誰よりも県警の内部事情に明るく、人望が厚く、細かい配慮ができる性格の持ち主で、県警主要幹部6人からの信頼も非常に厚い男であった。

警視庁キャリア組2名、警視庁準キャリア1名、地元叩き上げ3名の各部長が主要な登場人物。

なぜ、不破は姿を消してしまったのか。蒸発か?事故か?事件か?警務課長の失踪が、マスコミに漏れてしまおうものなら、N県警を揺るがす大スキャンダルとなる。部長達は対応に追われる。

不破の失踪に絡み、6人の様々な利害や思惑が交錯する。ある者は保身のため、ある者は己の野心を満たすため、各々がこれまで築いてきた人脈を駆使する。優先されるはN県警の利益などではなく、私利私欲という事だ。高度で、複雑な情報戦が展開される。換言すれば、これは県警内部の権力闘争の開始である。

果たして、不破失踪の本当の理由とは何か?権力闘争の行きつく所は?そんな話。

相変わらず、心にズシリと響く小説(cf. 駄文2007.11.13)だった。卑しさ、弱さ、虚栄心、媚びへつらい、これらが明確に描かれ、人間の本質が見事に表現されている。つまりヒューマンモノです。警察組織で生きるのは本当に大変だなと痛感させられた。

終盤、準キャリアの堀川が、キャリアでも地方でもない自分の役割を懸命に全うしようとする姿勢に救われる。そして、ラストへの流れ。収束すべき所に収束させたなという印象。

警察小説という時点で★が加点気味である事は否定できないなあ。警察小説は、やっぱり面白いジャンルである。

阪神大震災を引き合いに出す意味があったかどうかは、甚だ疑問が残る。震度0という言葉もほとんど響いて来なかった。他に相応しいタイトルはいくらでもあったのではないかと思う。

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2008年4月13日 (日)

偉大なり、この著者

1つの小説を読むのに2週間という日数を費やしてしまった。理由は1つ手前の駄文を読んでくれれば分かるでしょう。

楡(にれ)周平/再生巨流★★★★★
業界最大手であるスバル運輸に中途で入社して15年間、常にトップの営業成績を残していた主人公吉野に突然の辞令が下りる。直属の上司である常務取締役営業本部長、三瀬より、本社第一営業部から新規開発部への異動を告げられた。ポジションは、次長から部長へ。昇格という形を取ってはいるが、これは明らかな左遷人事であった。

というのも、新規開発部の陣容は吉野の他に、所謂「お局」女子事務員岡本と、引き取り手がなかった人事考課最低ランクの営業マン立川だけ。このメンバーだけで年間4億の売上を創出するという実現可能性がゼロに近い無理難題を命じられる事になった。

吉野のあだ名は「鬼だるま」。彼は目的を達するために容赦をしない男だった。自分の部下は自分の目標を達成させるための道具としてしか見ておらず、当然社内には多くの敵を作っていた。つまり、組織から逸脱して行動する吉野を、会社は管理職失格の烙印を押したのである。

どん底に落とされた吉野が、同じように挫折を味わっている男達と共に、奮起する。そんな話。

面白かった。吉野に迫ってくる障壁は、どこまでも高い。彼は冷静に状況を分析し、懸命に努力し、突破口を開いていく。読者は、その過程を手に汗握りながら味わう事ができるのである。

いつしか真剣に吉野を応援している自分がいた。何としてもプロジェクトが成功して欲しいと願うのは自然な流れだろうと思う。

プロジェクトの進捗を阻害する政治的しがらみが本当にもどかしく思えた。

文章に著者の綿密な取材が見て取れる。運輸業界が抱える問題などもリアルな視点で、しっかりと描かれている。どういう意識で仕事に向き合えば良いか、そんな事もこの小説から教えられた。

お前は、できる事を最大限にやっているか?吉野の行動を通じて、著者からそんな鋭い言葉を投げかけられているような気持になる。

sevenさんが、これをオレに手渡す時、キレイな微笑みを浮かべながらこう言った。

「これ読むとね、仕事に対するモチベーションが上がる。ホントに」

この言葉に偽りはなかった。ただ、逆に圧倒されてモチベーションが下がってしまう可能性も否定できないけど。

エンターテインメント経済小説の傑作。仕事に身が入らないと思っている人にオススメです。

オレは今、良い感じに酔っております。

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2008年3月27日 (木)

中途半端ですわ

山川健一/ニュースキャスター★☆☆☆☆

主人公の立花耕一は、テレビ中央の夜の看板ニュース番組「ナイトステーション」のキャスターを務める男。キャスター、ディレクター、取材班等の「ナイトステーション」の制作に携わる人々、高校にも行かず、日常的にコンピュータの世界に浸る、立花の息子卓也、殺人犯間宮、それぞれの視点からテレビの内情を鋭く描く。そんな話。

テレビ中央はテレ朝、ナイトステーションはニュースステーション、立花耕一は久米宏を連想させる。久米宏が所属しているのが「オフィス・トゥー・ワン」、立花が所属しているのが、「オフィス・テン」。著者もしっかりそれを認めているので、間違いないでしょう。

テレビの内情と言っても、いかにも有りそうだなというか、予想の範囲内の話というかそんなもんだった。番組に対する大物政治家達の圧力というのも別にセンセーションでも何でもない。さも有りなんという感じじゃないですか。

政治家は、己の利権を守るために何でもするような人ばっかりだと思う。それくらいの厚かましさがなければあの世界は生き抜いていけない。オレの好きな小池百合子先生の節操の無さを見りゃよく分かる。この人の嗅覚、ホントに凄いぜ。守屋事務次官を切ったタイミングなんて神懸かってる。偶然だと思うけど。政治家にとって、流れと強運も重要だ。

話が反れてしまった。

間宮が殺人に及んだ理由は非常に興味深いのだが、それも彼の妄想なのか事実なのか判然としない描き方をしている。殺されたのは彼の担当医。著者は医療問題をクローズアップさせたかったのだろうjか。それが狙いだったとしたらも全く成功したとは言えず、実に中途半端

息子の卓也の社会に背を向けるような行動は多少理解できる。親父が久米宏ばりの有名人ならそうなってしまう可能性は少なからずあるだろう。彼は、掲示板で言葉を交わしていたプロのハッカーと行動を共にするようになり、軽微な犯罪を犯す。オレの読解力が乏しいからなのか、それを通じて著者が描きたかった事がイマイチ見えてこない。サイバー系犯罪の驚異なんて今更言うまでもない。なんか、ここもピントがずれているんだよなあ。

転出届を提出し、その後原付の免許を取得し、他人に成りすます方法の描写は良かった。偽の人格を作り出すその手法は実に鮮やか。これはハッカーの基本らしい。シリアスなハッキングをし、万が一自分の犯行が特定された場合は、それまで使っていた身分を切り捨て、再び別人に成りすますらしい。『トカゲのシッポはまた生えてくる』。

様々な社会問題の要素を入れ込んだ事によって、物語がまとまりを欠いてしまい、キャスターがキャスターを続けいく事の葛藤・苦悩というメインテーマがぼやけてしまっている。

「ちょっとした物語」を作成する際、これを教訓にせねばならないと思う。

帯を読んだ時は、面白そうと思ったんだけど、読んだら全然ダメダメだった。

興味の湧いた人は読んでみて下さい。面白くないです。

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2008年3月 9日 (日)

これは上質なエンターテインメントだ

会社の本棚から何か小説を借りようとしていたら、本棚の前に座り、尚且つ本棚の小説を読み倒しているsevenさんがいたので、オレは「面白い本あります?」と尋ねた。

すると、凄く面白かったよという言葉と共に、差し出してくれた本がこれだった。五十嵐貴久?知らない作家だ。表紙のイラストはチープ感丸出しの冴えない感じ。本当に面白いのか半信半疑のまま、とりあえず渡されるがまま手に受け取ってみた。

裏表紙に書いてある粗筋に目を通すとその気持ちが一変した。そのたった数行の文章で完全に掴まれた。読む前から既に面白くならない筈がないと確信した。

五十嵐貴久/TVJ★★★★★
お台場に、多種多様の設備を備えた25階建の新社屋を開設したテレビ局「テレビジャパン」は、それを記念して、新社屋完成記念番組『72時間テレビ・TVJ新エンタテインメント宣言!』という番組を放送する事にした。足掛け4日間に及ぶ連続生放送という前代未聞の番組であった。

この本番の開始直後、事件は起こった。テレビ局が正体不明のグループにジャックされたのである。

29歳の経理部員由紀子が、人質となった婚約者である編成部のエリート岡本圭を救うため、ひとりで立ち向かうことになった。

解放を許された人質から、警察に連絡が入る。

本庁より捜査の指揮監督を命じられたのは、警視庁捜査一課特殊捜査班に所属する大島警視正。彼は交渉人としては、他に類を見ない程の能力を持っており、既に生きた伝説と称されていた。

無理な要求を繰り返し、大島を、警察を翻弄する犯人グループ。彼等の正体は?テレビ局を制圧下においた真の目的とは?

果たして警察は、史上最悪の難事件を解決に導く事ができるのだだろうか。そして、ビル内部で、ひとりで奮闘する由紀子の運命はどうなってしまうのか。そんな話。

この常識外れの設定が素晴らしいと思う。テレビ局を乗っ取るなんて基本的には無理な話だ。まず有り得ない。だが、犯人グループの緻密で巧妙な計画は、それが不可能じゃないような気にさせてくれた。何だか妙に感心させられた。

TVJの社員達の反応も業界人丸出しな感じの描写が面白い。「おいおい、何のドッキリだよ」的なノリね。こんな事言いそうだなと思わずニヤリとしてしまった。

犯人グループのリーダー「少佐」と交渉人大島の電話でのやり取りも見所の一つだろう。少佐は最初から最後まで冷静で狡猾。一方で大島も刻一刻と変化する事態に臨機応変に対応する。見事な知能戦が展開される。大島が信頼する部下、熱血漢の小比類巻も良い味を出している。

由紀子には、ピンチが断続的に襲う。緊張感溢れるシーンの連続に息を飲む事必至だ。彼女は自分を励ましながら、機転を利かし、懸命に生きるために努力する。彼女の勇気ある判断と行動は実に痛快だった。善良な人なら、由紀子、がんばれという気持ちになる筈だ。心から応援した。

書きたい事はまだまだあるのだが、この辺で止めておく。これぞエンターテインメントという小説。読んだ方が良いです。絶対。

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2008年3月 2日 (日)

タイトルがおかしい

東野圭吾/11文字の殺人★★★☆☆

主人公は、女流推理作家「あたし」。彼女の恋人だった川津雅之が突然殺される。彼は殺される前日の夜、彼女に「自分は誰かに狙われている」と告げていた。あたしは、担当編集者で親友の萩尾冬子と共に事件の真相を究明するべく、行動を開始する。

川津の手帳を手がかりに彼の仕事関係の人々に接触を試みる2人だが、彼と何らかの接点があった人が次々と殺されていく。

2人が調査を進める過程で、昨年、無人島近くで起こった水難事故の存在が浮かび上がってきた。この水難事故に秘められた謎とは?そして、水難事故と連続殺人事件の関連性は何か?そんな話。

至って普通の推理小説。探偵役の「あたし」の行動力には頭が下がる。まあ、推理モノの主人公が行動力のない人だったら話は一切前進しなくなってしまう訳だが。やっぱり警察じゃない人間が事件の真相を追いかけるのは、非常に大変です。あたしと冬子は『推理小説の取材』と称して動くという王道的パターンを踏襲しております。

背景の細部まで全て見抜けなかったが、それでも途中で犯人の予想がついてしまった。アリバイトリックが出てくるが、それも実に凡庸で有りがちなモノ。初期の作品だからなのか全体的に荒い

著者が描きたかったのは、そこじゃなかったようだ。人間の心理に焦点を当てている。善悪とは何か?本当の正義とはどういう事か?著者は作品を通じて、読者にそんな難題を問うているような気がする。

殺人の動機としては弱い、動機にすらなっていないという批判的な意見も多々あるようだが、オレは川津が狙われるには十分な理由があったと納得できた。水難事故に関わった人々の恐怖は相当に大きかった事でしょう。

タイトルは「11文字の殺人」だが、11文字が何だったのか思い出せない。全く印象なし。事件のキーワードにもなってないしね。これをタイトルにした意図が分からない。

う~ん、イマイチだったなあ。

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2008年2月28日 (木)

奇しき縁(えにし)に結ばれて

東野圭吾/宿命★★★★☆

面白かった。キーワードは意外性。

主人公の勇作は、高校時代に交際をしていた女性である美佐子と、父の突然の病をきっかけに、2人は別れなければならなくなってしまった。

最愛の女性と別れ、暗黒とも言える青春時代を過ごした勇作は、父と同じ刑事となっていた。そんな中、殺人事件が起こる。被害者は、地元の名門企業の社長。凶器は前社長の遺品であるボウガンであった。

殺人の容疑は、前社長の瓜生(うりゅう)家の関係者全員に向けられる事となった。ボウガンを管理していたのは、前社長の長男である瓜生晃彦。彼は、奇しくも勇作と小学、中学、高校の同級生であり、ライバルだった男であった。そして、驚くべきことに、現在彼は若かりし勇作が共に愛を育んだ女性、美佐子の夫となっていた。

刑事と容疑者、昔とは全く異なる立場での再会を果たす2人の男。様々な感情が渦巻く中、宿命の対決が始まる。数奇な運命に翻弄された2人の男の話。

結末は、完璧にオレの予想の外だった。思わず「嗚呼、そうだったのか」と言っちまうくらいの意外性がそこにはあった。終章の畳み掛けるような、怒涛の展開は圧巻の一言である。ラストに明らかにされる真実は、この小説の全てが凝縮されていると言っても過言ではない。いや、それはちょっと過言かも知れないなあ。

減点対象は、本線ではない殺人事件解明の部分。トリック、犯人共にイマイチ意外性に欠けてしまったところ。本格推理と銘打つには厳しいレベルじゃないかな。

無駄を省いたドライな筆致はかなり良いですね。

かなりの良書だと思う。読んで損なし。

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2008年2月12日 (火)

広末涼子を連想しちまう

東野圭吾/秘密★★★☆☆
映画化された作品。事故死した妻の魂が、娘に宿る。体は娘、心は妻。その時夫は何を思い、どう生きるのか。簡単に言えばそんな話。

意識と肉体が乖離するという物語は世の中に数多ありますが、大抵は、その事実が薄っぺらいファンタジーでしかなく、その様子が極めてユーモラスに描かれている。

だが、この小説は一線を画する。精神と肉体が入れ替わった人と、その人と深い関係にある人が味わう不可避的な苦悩、葛藤がこれでもかと描かれている。しかし、これこそがこの手の物語の本質なのではないかと思う。

そのため読後感は、とてつもなく重い。悲しいというより辛いのである。

夫である平介が余りにも救われない。もちろん、彼自身が選んだ道ではあるのだが、そうだとしても彼が真相を知る必要はなかったと思う。そのまま何も知らずに、年老いて死ぬ方がよっぽど幸福だったに違いない。ちょいと残酷すぎるぜ、東野さん。そうしたからこそ、あのラストが生まれたんですけどね。

この小説の特徴は、語り手が専ら平介であるという点である。妻直子の心情は一切描かれる事はない。読者は直子の胸の内を想像するしかないのである。女性からの支持が熱い理由もここにあるように思う。

女性達は、本を読み進めながら、一方で自らの思考で行間を満たしていく。そうする事によって、直子と共に葛藤し、彼女に降りかかる諸問題に思考を巡らせる。物語が佳境に入る頃には、直子とほぼ一体となっているに違いない。そして、「涙が止まらなかった」という状態を迎えるのではないか。

平介の不安はよく分かるが、中盤辺りで際立つ事になる彼の異常性については理解し難いものがあった。あれをやったらダメでしょう。

強く印象に残っているのは、事故を引き起こした梶川幸広の「秘密」を知り、平介の感情に変化が現れるシーン。きっかけは梶川が言った『自分が愛する者にとって幸せな道を選ぶ』という言葉だが、これこそ『愛』という感情そのものだと思った。平介が味わう事となった寂しさ、虚しさはオレには理解できるレベルのものじゃない。

そして、それを悟った後の直子のあの行動。これもやっぱり『愛』なんでしょうね。その後の平介を思うとやり切れない。哀切、この言葉に尽きる小説だ。

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2008年2月 5日 (火)

ラインを越えて

会社のとある場所にある箱には、その役割をまっとうした新聞類が大量に入っている。当日付のモノも珍しくない。ここにある紙媒体は会社にとって不要なモノなので、『欲しければご自由にどうぞ』の状態である。

オレは、時々この箱の中から、お気に入りの新聞を持って帰る。もちろん地下鉄で読むために。こんな時、自分が広告代理店で働いていて良かったなあと思ってしまう。それと同時に、自分の会社が一応マスコミという業種に分類される事を実感する。

最新の夕刊フジが入っている時は最高に嬉しい。やっぱり夕刊フジは面白いよ。ほぼ毎日読んでいる。記事は政治、経済、健康、芸能、スポーツがバランス良く配置され、タブロイド独特のキナ臭さはあるものの興味深いものが多い。競馬面もそこそこ詳細で侮れない。

越後湯沢に向かう新幹線の車内で、KGさんと夕刊フジを含む夕刊紙について話した。

オレ「オレ、夕刊フジ大好きで、ほぼ毎日買って読んでますね。面白いですよ」
KGさん「夕刊フジは、地元では売ってなくて、BLUE HEARTSの歌でしかイメージできなかった」
オレ「くたびれた顔をして 夕刊フジを読みながら 老いぼれてくのはゴメンだ ですよね」
KG「そう。だから東京出てて初めて見た時、これがあの『夕刊フジ』かあと思った記憶がある。満員電車の中でこれを読むようになったら終わりなのかと」
オレ「いやいや相当面白いですって。地下鉄には、読んでるリーマン一杯います」
KG「分かるよ。紙面のサイズも小さめで、リーマンが電車で読むには丁度良い内容だと思う。この前、某夕刊紙の会社に行った時、聞いた話で本当かどうかは知らないけど、成る程と思った話がある」

面白そうな切り口である。是非聞いてみたいと思ったオレは先を促した。

KG「夕刊紙は需要がありそうなのに、何故全国展開していないか?その理由は、地方の人間は通勤にほとんど時間をかけないから。通勤に1時間以上もかけるのは、一部の大都市と東京近辺に住む人だけしかいない。夕刊紙はtksと同じように、帰りの電車の中でちょっと読みたいと思うモノなので、都内と違って通勤時間が短い地方では、ほとんど売れる見込みがないらしい。よって、地方では一切売ってない。向こうの会社の人がそう言ってた」

通勤時間に1時間かける事が当たり前だと思うのは、ずっと埼玉に住んでいたからなのか。言われてみて初めて気付いた。所変われば常識が常識ではなくなるという事ですね。

夕刊紙が全国で売られていないのは知らなかったが、その理由については大いに納得。良い話を聞かせてもらいました。

こういう無駄と思えるな様な知識の集積が、その人に深みと厚みをもたらす。そして、時には思いがけない効果を生み出す。オレはそう信じております。

BGM
THE BLUE HEARTS/ラインを越えて
平原綾香/JUPITER
aiko/桜の時
鬼束ちひろ/月光
SPITZ/桃

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2008年2月 4日 (月)

豊富な知識量に敬服致します

伊坂幸太郎/重力ピエロ★★★☆☆
単純にミステリーに分類してしまうのは違うような気がする。もちろん物語の主軸は謎解きであるのだが、切なく、哀しい、でも凄く暖かい、ベタとも言える家族小説という色合いを呈している。

遺伝子情報を扱う会社に勤める泉水には、2つ下の弟がいる。名前は春。春の出生には秘密があった。母が未成年の強姦魔に襲われた時に身籠ってしまったのが春だったのである。

忌まわしい事件を胸の奥底に抱えながらも、そこから派生する様々な諸問題を乗り越え、兄弟が一人前の大人に成長した頃、事件が起こる。連続放火である。

春は、予め放火の場所を暗示するグラフィティアートの存在に気付く。グラフィティアートと放火にはいかなる関係性があるのか。泉水と、彼の弟、そして父は、その謎解きに挑み始める。

彼等が直面する事になる真実は、彼等家族にとって重大な意味を持つものであった。そんな話。

これは著者の狙いなのだろうが、ともかく、主人公が平凡過ぎる。それに比べて脇役達はは1人1人、異常なまでに魅力的であった。とりわけ父親が素晴らしい。彼の台詞には、いちいち胸を熱くさせられた。

兄弟の会話は、機知に富み過ぎている。劇中に、ネアンデルタール人とクロマニョン人、ガンジー、その他様々な知識が飛び交う。最初はタイトル通りの感情を抱いたのが、最終的にはちょっとウンザリしてしまい、やっぱり「やり過ぎだよ、これは」と思い直した。

著者は東北大学出身。基本的に頭が良い人なのでしょう。洒脱でスタイリッシュな文章は「アヒルと鴨―」と同様だった。ドライなのに、妙に人情味が溢れている。この辺りに著者の非凡さがうかがえますね。

先が読めてしまう展開と、事件後の話に一山なかった事がマイナスで★3つに留めておいた。

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2008年1月26日 (土)

無茶だよ、それは

新進気鋭という言葉がピッタリ来る作家ではないでしょうか。オレにとって、この作品がファーストコンタクトになる。

緻密なプロットと、洗練されたユーモア。それらを巧みに描き切れる才能豊かな作家という印象を受けた。

伊坂幸太郎/アヒルと鴨のコインロッカー★★★★☆
「現在」と「2年前」の話が基本的に交互に繰り返される構成で物語は進む。この手法をカットバック方式と呼ぶらしい。

「現在」の主人公は、仙台に一人暮らしを始める事になった大学生の椎名。隣人の悪魔じみた風貌の男、河崎から、出会ったその日に、広辞苑を盗むために書店を襲う事を持ちかけられる。

一方、「2年前」の語り手はペットショップで働く琴美。近所で頻発している動物虐待事件を中心に話が展開される。

これら2つの物語が紡ぎ出す真実は如何にというミステリー。過去と現在は、なかなか交わる事がないのだが、読み進めていくに連れて、うっすらとその関係性が明らかになっていく。

椎名は2年前に起こった事件について、興味を持ち事実を知ろうと行動を起こす。それはあたかも読者の気持ちを代弁するようなものであり、読者は彼にシンクロする形で断片的に描かれている過去の出来事の裏側について考えを巡らせる訳だ。実に上手い。

大オチは、何となくそうじゃないかと予想はしていたが、やっぱり無茶だなあと感じた。そんな錯誤が起こるとは思えない。椎名だったら有り得るか。

劇中描かれていたブータン人の思想は日本人のそれとは大きく異なっていて、非常に興味深いものがあった。同じ人間でも、取り巻く環境によって考え方は大きく変わってしまう。大学時代、教育原理で学んだ「環境と初等教育」の内容を思い出した。

最後の余韻を残す感じも良い。個人的には、全てを知り、今度は自分の問題に立ち向かわなければならない椎名のその後が気になるところだ。そう思ってしまうのも、悔しいが著者の思惑通りなんだろうなあ。

面白かった。他の作品も読もうと思う。

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2008年1月23日 (水)

骨の髄まで染みた

重松清/ビタミンF★★★★☆
いずれも30代後半から40代前半の極普通のリーマンであり父親である男が主人公の7つの短編集。直木賞受賞作品。

直木賞とオレの愛称はすこぶる良い様で、受賞作品でつまらなかったと思える小説は今迄なかったように思う。よって、読む前からある程度の期待を持っていたのだが、今回もその期待が裏切られる事はなかった。

家族モノであり、ヒューマンモノである。

主人公は、日本の父親の多くがそうであるように、自分と家族との距離感に戸惑い、子供とのコミュニケーションにも苦慮している。彼等はそんな状況下で、どこの家庭でも起こり得るであろう問題に直面し、もがき、苦悩する。

自分に突きつけられた問題の根本的な解決は無理だろうと半ば諦きらめつつも、前向きに行こうと努力をするのである。懸命に努力はするのだが、やはり問題はスッキリ解決しない。

どの話も切なくて、苦しくて、やり切れない感じなのだが、それでも読後は心がじんわりと温まる。主人公の行動に勇気付けられ、『よし、頑張ろう』という気持ちになれる。「家族」という存在は、実は自分の拠り所になっているのかも知れないと、柄にもない事を考えたりもした。

悩んでいるのは自分だけじゃない。それを外部に表現するかしないかは別として、みな何かを抱えている。だから、あたなも勇気を出して、前へ進んでみよう。そうすれば乗り越えられるかも知れない。

そんな、チープなドラマにすら出てこないかも知れない青臭いメッセージが散りばめられている。マジで染みるよ。

「泣ける」と評判の重松清、読む人が読んだら物凄く泣ける話なんだろうなと思った。オレは人生経験が浅いので、まだまだその境地には至れなかった。

金を大量に注ぎ込んで、ド派手な映像をこれでもかと浴びせてくるハリウッド映画に飽き飽きしている人に読んで欲しい本。

平凡な人生?ドラマティックじゃない人生なんて存在しないぜ。

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2008年1月 8日 (火)

本質は深き場所に

実家に程近い大宮のVillage Vanguardで買った。久々に新書です。

青井汎/宮崎アニメの暗号★★★☆☆
宮崎駿は日本最高レベルのアニメーターである事は周知の事実である。だが、著者の論をそのまま借りれば、それは飽くまでも、ただ単に表面を見て評価しているに過ぎないという事になってしまうのである。オレもご多分に漏れず、上辺しか見えてない人間であった。

だが、宮崎駿が随所に施した仕掛けを見抜くには相当量の知識が要求される。大抵の人には無理な話である。「天空の城ラピュタ」の台詞を全て覚える程、繰り返し見ようとも、それは変わらない。

物事の真髄は常に、カリオストロの城の秘密の地下空間のように奥深いところにあるものなのである。

著者の入念な調査・分析には素直に感心させられた。そこまで考えて、アニメ映画を見る人なんていないよ。

宮崎アニメに綿密に張り巡らされた暗喩の解釈は、当然のことながら著者自身の思考に基づいており、決してそれが正解とは言えないのだが、それでも様々な例示を重ね、じっくりと論を進めているので、多くの読者は納得を得る事ができるだろう。著者の解釈は無理矢理なこじつけなどではない。

これを読んで、率直に宮崎すげーとなりました。恐れ入りましたとしか言えません。あの映画のあの場面にそんな重大な意味があったとは・・・という感じの流れが基本パターン。これが繰り返されます。

流れの中で、五行思想の内容や古き神々の話が詳細に書かれているが、これらはオレの知識の外だったので、非常に面白かった。

これを読んだら「もののけ姫」をもう1度見たくなる筈。もちろん、これまでと違って本質を意識しながらね。

宮崎アニメ好きな人は是非。読むと彼に対する尊敬の念が深くなるか、もしくは彼の博識が鬱陶しく感じる事でしょう。

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2007年12月25日 (火)

今田と東野

オレは週に1、2回程度会社のミニ図書館を利用する。

最初は、棚の上にみなが自分勝手に、適当に、無造作に本を積み上げるというスタイルだったのだが、いつの間にか会社公認となりました。公認は言い過ぎかも知れないが、少なくともオレはそう思っている。

なぜなら、参加者が増えてきた頃、常務の「本棚買えばいいんじゃない?」という鶴の一声(正にこの表現がピッタリ来る)が発せられ、経費で本棚を購入するに至ったからだ。

経費で落ちたという事は、事実はどうあれ、図書館は会社の利益となると会社に判断されたという事を意味する。利益と言っても、一部で小説を介して、僅かながらコミュニケーションが円滑になった事と、読書をしなかった人が、「せっかくだから」と小説を手にする様子が見られるようになった事くらいか。くらいじゃないな。

読書は心を育てる。心が豊かになれば営業トークに幅が出る。その流れで、上手くやれば『売れる』って事ですぜ、旦那。オレは非営業なので今の論は無関係だけどね。

ともかく、新刊に近い良書の数々がタダで読める、こんなに嬉しい事はない。


東野圭吾/悪意★★★★★
3冊連続です。文句無しに面白い。ついでに解説も完璧。オレの大好きな桐野夏生がこの小説について的確に、かつ巧妙に語っていた。彼女の文章の素晴らしさも堪能できるとは。正に1粒で2度おいしいだ。

人気作家である日高邦彦が仕事場で殺害された。第一発見者となったのは彼の幼馴染であり、元教師で児童小説家の野々口修。野々口は事件の真相が暴かれるまで、この事件についての手記を書き連ねる事を決める。

犯行現場に現れた刑事の加賀恭一郎は、偶然にも、かつて野々口と同じ中学で教鞭を執っていた過去も持つ男であった。

この小説は、野々口の手記と加賀の記録が交互にによって構成されている。野々口の手記が事件の内容を示し、加賀の記録が事件を分析・検証するという展開である。

加賀はかつての職場の先輩、野々口に対して私的な思いを排除して、真実を追求する事に注力する。加賀は見事な推理で、野々口の手記と現実との相違点を暴き出し、犯人を逮捕するのである。

逮捕された犯人は、決して自ら動機を語ろうとはしない。殺害に至った動機とは何か。その裏には本当に、横浜FCが浦和レッズを破るくらいの驚くべき事実が隠されていた。そんな話。

真実が嘘となり、嘘だったものが逆に真実となる。読者は翻弄されながらも、自然とこの小説の世界にどっぷり浸かってしまう。読んでいる途中、いや昼休みが終わってPCに向かっている時でも、頭の片隅に『一体どうなるんだ、この事件の結末は?』という思いがずっとつきまとっていた。また言っちゃうぞ。さすがに東野圭吾だ。

犯人探しではなく、動機探し。この設定がホントに面白い。その動機のポイントとなる部分に、加賀の過去の経験が良い具合に絡んでくる辺りも巧いね。

「悪意」というタイトルを付したのも素晴らしい。これ以上のタイトルはないと思う。

これは本当にオススメ。ミステリー小説の魅力が凝縮されている。

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2007年12月22日 (土)

またもや東野圭吾

東野圭吾/むかし僕が死んだ家★★★☆☆

大学で助手をしている主人公「私」は、高校時代の同窓会で高校2年から大学4年まで6年間交際の後に、別れた恋人である倉橋沙也加と再会した。沙也加は、私に自分には小学生以前の記憶が一切無いという事を打ち明けた。彼女は、父の遺品にあった地図に書かれた場所に自分の幼い頃の記憶を蘇らせる手がかりがあると考え、私にその場所へ同行して欲しいと訴える。私は迷った末に彼女とその場所へ向かう事にした。そこで2人は驚愕の真実に辿り着くのである。そんな感じの本格的ミステリー。

登場人物はたった2人。舞台は地図の場所にあった白い家の中。この極限られた設定の中で、様々な伏線を張り巡らせ、読者を真相へいざなう著者の卓越したテクニックには素直に感心した。さすがに東野圭吾である。だが、この限られた設定が、オレにとっては少々窮屈で退屈だった。

物語は、白い家に残されていた祐介少年の日記の解読を中心に進められていく。言うなれば「アルジャーノンに花束を」パターンですかね。この辺りの情報の出し方加減も実に巧妙だった。もう一度言おう。さすがに東野圭吾だ。

肝であった部分が、何となく読めてしまったのがちょっとしたマイナス要因か。鈍感なオレは、ミステリーを読んでいて、こんな事はまず無いんだが、珍しくピンと来てしまったんだよね。それが読めなかったとしても★4つになる事はなかったと思う。非常に良く出来た作品なんだけど、突き抜けるモノがなかった。

ラストの締め方は、なかなか良かった。

失った記憶を取り戻すという展開の小説なら、乃南アサ/6月19日の花嫁 の方が上だと思う。これはオススメ。ラストの遊び心が印象的だった。

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2007年12月16日 (日)

学園推理モノ

この分野の金字塔として名前が挙げられるのは、『金田一少年の事件簿』であろう。中学、高校時代、本当に好きで全ての単行本を所持し、それこそ穴が開くほど読み込んだ思い出がある。それに留まらず、金田一の推理の、もしくは犯行そのものの矛盾点を論理的に指摘した本なども購入した。

この本を読んで金田一に夢中になっていた当時の記憶が蘇ってきた。オレがミステリー小説を好んで読む理由の原点は、金田一にあったのではないかとも思った。確かに、金田一にハマり、その後、両親が好きで本棚に溢れていた西村京太郎の世界に足を踏み入れたのである。

東野圭吾/同級生★★★☆☆
本格学園推理。見方によっては青春小説と言えなくもない。

文武両道の名門、修文館高校野球部マネージャーである宮前由希子が交通事故死した。その後、学内で彼女が妊娠していたのではないかという噂が流れ始める。さらに、その交通事故には、人為的な原因があったという疑問が生じる。

野球部の主将西原荘一は、自分が宮前由希子の子供の父親である事を周囲に告白し、交通事故の真相を究明するため奔走する。彼を真相究明に駆り立てた真の理由は余りにも苦い。友情、教師への反発、恋愛、喫茶店でのダベリ、屋上での密会など学園モノの必須要素を適度に散りばめながら、交通事故死の裏に隠された真実が明らかになっていく。そんな話。

面白かったのだが、東野圭吾にしてはどうもイマイチだったなというのが率直な感想。意外性も少々不足気味。全体の印象は、電子レンジで十分暖めた筈なのに、奥深くにあった、もやし・キャベツが半ば凍っている状態の野菜炒めのような感じ。

その作家の持つ能力を考慮して、作品がそれに見合うレベルであるかを評価に反映させてしまうのは、よろしくないと思いつつも、納得感が得られなかったので敢えてそうさせて頂きました。そんな訳で★は3つです。

西原が抱えていた苦悩は非常に深い。それを信頼する仲間の誰にも言えないところがさらに辛い。

物語の最終盤、全ての事件の真相が明らかになった後、野球部の部室で、西原はそれまで自分を支え続けてきたエースの川合とマネージャーの樽崎に全てを告白する。このシーンが、THE青春である。ネタバレ厳禁なので、詳細を書きたいけど書くのを止める。この下りは個人的に物凄く好き。あだち充のような世界観。

東野圭吾に外れ無しと断言している人にこそ読んでもらいたい作品だ。

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2007年12月12日 (水)

危機的状況にこそドラマがある

宣言した通り、小説を読み漁っております。またもや書評。


垣根涼介/君たちに明日はない★★★★☆
山本周五郎賞受賞作らしい。ただ、オレはこの賞自体を知らなかったが。しかし、この小説は面白かった。

企業の人事部の依頼により、リストラ対象者である社員の面接を繰り返し、彼等のクビを切る、リストラ請負会社に勤めている主人公村上は、対象者に恨まれ、罵倒され、泣かれても、不思議と自分の仕事にやりがいを感じている。現実には存在していないであろうリストラ請負会社だが、著者の巧さか、妙なリアリティを醸し出している。有り得なくないかもと思ってしまう。

危機的状況に陥った人間達が、現在の自分の置かれている状況に苛立ち、それを憂いつつも、自分と真摯に向き合い、葛藤する。彼等は、退職するか、冷遇されても尚、現在の会社、仕事にしがみくかを決定しなければならないからだ。

村上はただ単にクビを切れれば良いと思っているような人間ではない。一見すると軽い男(実は計算し尽くされた軽さだが)で、人並み以上に好色だが、仕事に関してはプロフェッショナル。そこがまた良いんだよね。ちょっと村上の台詞を引用。

不必要にあなたを貶めるつもりは毛頭ありません。ただ、私は面接をする際には、その相手の将来もこともできるだけイメージングして対応させていただこうと心がけているつもりです。それがこの仕事をやる、最低限のモラルだと思っているからです。

設定が設定だけに、人間ドラマの宝庫。完璧なるヒューマンモノだ。面接を通して、村上も様々な事を思う。彼の思いに心が動く。退職勧告をしつつも、被面接者を応援してしまる事もある。すごく良いじゃないか。

リーマン小説としては、出色の出来。何となく心が暖かくなる物語だった。仕事に悩んでいる人に良いかも知れない。頑張ろうという気持ちが沸いて来るかも知れませんよ。

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2007年12月10日 (月)

ミステリー自体はすごくない!

海堂尊/チーム・バチスタの栄光★★★★☆
第4回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作品。

東城大学医学部付属病院は米国から心臓移植の権威である桐生を招き入れた。彼率いるバチスタ手術専門チーム、通称『チーム・バチスタ』は、成功率が低いバチスタ手術において、奇跡とも言える成功率100%を達成し続けていた。だが、3例連続して術中死が発生。

病院長高階は、大学付属病院内での出世争いから手を引いた、不定愁訴外来責任者である田口に、内部調査を依頼する。この依頼は驚くべき事に桐生本人からの要望であった。果たして、術中死は、医療過誤か故意の殺人か。手術の詳細な内容、大学病院内部におけるドロドロとした人間関係なども描かれつつ、チーム・バチスタの真実が明らかになっていく。そんな話。

良い小説の基本的要素とも言える事だが、脇役を含めて、ほとんどの登場人物が優れている。とりわけ上巻の主人公、田口を良い意味での凡人という設定にした著者の気概は買える。凡人ではあるが、決して無能ではない。その辺りのバランスが巧いね。天才桐生とのコントラストが映える。

「チーム・バチスタ」関係者への聞き取り調査を行うシーンには思わず引き込まれてしまった。さすがに不定愁訴外来(意味不明だと思うけど、面倒なので解説はしないよ)の責任者だ。神経内科医を続ける事によって培われた、田口の『鳴くまで待とう』的なスタンスは見事である。彼の前では、オレも様々な事を吐露してしまうやも知れない。

この小説で最も輝いているのが、下巻から登場する厚生労働省の役人白鳥だ。彼の登場によって一気にエンターテインメント性が爆発する。先輩である病院長高階からロジカルモンスターと評される白鳥は、死ぬ程ずうずうしく、傍若無人でありながら、頭は最高に切れる。秀逸という言葉を置いて他にない設定。

凡人田口に対して、指南する言葉は、半ばふざけていながらも含蓄があるものばかり。田口と白鳥は静と動。このコンビネーションが絶妙だった。

さて、肝心の謎解きだが、こちらは凄くない。その結末に戦慄を覚えるなどという事は一切なかった。しかし、だからと言って「駄目」という事にはならない。飽くまでミステリーとしてはイマイチというだけの事。そんな事気にならないくらい楽しめる。

解決後のラストシーンは、ベタではあるものの、希望に溢れていて良かった。続編も読む予定。

マジで面白かった。暇な人は読んだ方が良い。

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2007年11月30日 (金)

読み易いよ。間違いなく

水原秀策/サウスポー・キラー★★★★☆
第3回『このミステリーがすごい」大賞受賞作品。ミステリーというよりは、可笑しな表現だが、穏やかで爽やかなハードボイルドと言える。

左投げのピッチャーである主人公沢村が、自宅前で何者かに襲われ、暴行されるところから事件が始まる。翌日、球団フロント、マスコミ各社に事実無根の怪文書が送られ、それが原因で彼は球団から謹慎処分を受けてしまう。彼は、自分を陥れた犯人を探し出すべく、自ら真相究明に乗り出すという話。

野球小説としても十分楽しめる内容になっている。野球好きは間違いなく、それだけで評価が上がってしまうだろう。沢村と、監督、フロント、コーチ、トレーナーとの会話やそれらの人達との距離感、チーム内部の微妙な人間関係は、リアリティを感じさせるもので、非常に面白かった。

そして、登場人物の設定が巧く、魅力的な人物が多い。これによってミステリーにしては、ベタ過ぎる展開が引き締まっている。沢村の理知的で、飄々とした態度と、ヒロインである売れてない女優黒坂美鈴の真っ直ぐな性格、共に良い。

物語の後半、野球のシーンが描かれるが、これも秀逸。心地良い緊迫感と躍動感があり、自然と沢村を応援している自分がいた。野球の素晴らしさがじんわりと伝わってくる。野球って本当に素晴らしい。そして、最後まで読み易い。

こんな感じで総合的に優れてはいるんだけど、何か物足りないのも確か。とは言え、これがデビュー作、多くを求めるのは酷というもの。今後に大いに期待できる作家の登場を素直に喜びつつ筆を置きますか。

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2007年11月21日 (水)

意欲作

恩田陸/Q&A★★★★☆
実際は★3.7くらい。題名の通り、最初から最後まで話が全てQ&A方式のみで進んでいく。さすがに恩田陸。彼女の能力の高さ、巧さは十分に伝わって来た。この形式で1つの話を創作しようと思い至った事が既に凄い。読みながら沸き起こる感情は、「三月は深き紅の淵を」で味わった感動と似ていたように思う。

特殊な小説なので、そうする事が正しいのか分からないが、敢えてジャンルを分類するならミステリーという事になるだろう。

会話を通して、多数の死傷者を生んだ、都内のショッピングモールMで起きた原因不明の大惨事についての謎、またはそれに派生した出来事などが明らかにされていく。時系列は基本的に過去から未来へと進むが、質問者と語り手(会話をしているので、時としてこの関係は真逆になるが)が次々と変化していく。さながら連作短編でもあった。

中盤以降、人間の心理について深く切り込んでくる話が続くが、この辺の表現力もさすがに恩田陸だと感心してしまった。かなり恐ろしいです。人間誰しもが心の奥底に持つ卑しさ、嫉妬心、利己心などを鮮やかに描いている。自分がその人間の立場だったら、そう思うだろうなと妙に納得させられた。世の中、キレイ事だけじゃないからね。

結末が痛かった。う~ん、あれは頂けない。著者は狙って、そうしているのだろうが、賛否両論となっているのも頷ける。もっと練って欲しかったなあ。

恩田陸の真骨頂とも言われてる作品だけど、恩田陸初心者には勧められない小説だ。中級者以上の未読の人は読んで損はないと思う。

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2007年11月13日 (火)

心にズシリと響く小説

警察小説で有名な横山秀夫は、デビュー前、「読者の心にGがかかる」小説を書きたいと誓ったそうだ。横山は、現在それを見事に具現化している。

代表作は、『半落ち』、『クライマーズ・ハイ』、『出口のない海』他多数。これら3作はいずれも映画化されているので、聞いた事があるのではないだろうか。

最近は、以前(07.09.20参照)、この駄文にも書いた会社の図書館から、横山秀夫の作品ばかりを借りて、読み漁っている。もはやファンである。

横山秀夫/第三の時効★★★★★
表題作「第三の時効」を含む全6話の連作短編集。F県警捜査一課強行犯係はは3班構成で、班長3人はいずれも癖の有り過ぎる人間だ。捜査における独断専行などは日常茶飯事。それぞれの班がメインで扱われる話があり、硬質な筆致で、それぞれの人間性のコントラストが見事に描かれている。この3人が展開する捜査一課内における覇権争いは本当に凄まじいものがあるが、それが返ってリアリティを持って迫ってくる。

彼等の部下、超個性的な班長を束ねる(むしろ、束ね切れていない)のに苦慮する課長など、脇を固める登場人物の設定も秀逸であり、厳格な階級組織の中で、上司と部下という立場に置かれた彼等が織り成す泥臭い人間関係も見所の一つとなっている。

この作品は、ミステリー小説に分類されるかも知れないが、オレにとっては完全にヒューマンモノである。それぞれの人間が放つ、苦悩、葛藤、トラウマ、執念、自尊心などに魅せられた。楽天的で、幸せそうに見える人でも、腹の底では、様々な事を抱えているものなのである。それが真理である。それが巧く描かれている。この作品における横山の人物描写は芸術の域だね。心にズシリと響く

最も好きなのは、「囚人のジレンマ」という話。ゲーム理論、経済学で用いられる言葉である。この話のラストは、割とストレートに人情味が出ていて良い。非情で冷徹な人間の心の奥深い所に存在した「温かみ」、オレは、この手の展開にやられちまうんですね。

少しでも気になった人は是非読んで欲しい。この小説には、漫画や映画にないモノが確かに存在する。

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2007年9月27日 (木)

最近の読み物事情

今日もブラブラと大手町まで歩いたが、ようやく秋がやってきたなと感じた。夜風が本当に気持ち良かった。

昔から、「読書の秋」などと言われるが、オレは秋が殊更読書に向いているとは思わない。季節は無関係な気がする。

例えば真夏、クーラーがキンキンに効いているカフェ、図書館読での読書なんて最高だ。もしくは冬、コタツでの、必ずや襲ってくるであろう眠気を気にしながらの読書はスリリングで楽しい。目が覚めて、どこまで読んだのか、いやどこまで内容を覚えているかを確認するのも、また乙である。

読書に向いている場所なら分かる。それは間違いなく通勤途中の電車の中。この意見に同意する人は多い筈だ。

一人暮らしを始めて通勤時間が短くなったのは、喜ばしい限りなのだが快適な読書の時間が減ったのはちょっと痛い。

それはさて置き、だんだんと、しかも加速度的に自分が読む本の趣向が変化してきている気がする。

最近の読み物を羅列してみる。

・夕刊フジ
もはや買うのが習慣化している。大学時代の日刊スポーツのように。連載コラもほぼ理解している。タブロイドならではの過激な記事が多いが、政治、投資欄は普通に面白い。MLBが厚めなのも好印象。

・ダカーポ
マガジンハウスの売れ線じゃない雑誌。とにかく時事ネタが豊富。旬な話題は大抵網羅できる。花くまゆうさくのシュールなリーマン漫画「メカアフロくん」、各所にある書評が素晴らしい。就職活動をやる学生にオススメしたい。発売日に買ってしまいます。

・PRESIDENT
経済誌。硬いイメージがあるが、実は分かり易いテーマが多くて、意外と取っ付き易い。そして、面白い。他誌と比較した事がないので、これが1番だと言える根拠はまだない。

・月刊サーカス
KKベストセラーズのR25対象の大衆雑誌。下世話な話題が多い中、意外に役立つ情報が眠っている。グラビア、ロングインタビュー共に質は低くない。

・週刊SPA!
扶桑社。フジサンケイグループ。全体的に緩い、下らないネタが多いが、それが面白い。毎週ではないが、結構気がつくと家にあるという感じ。下流の人々の実態という感じのネタ多数。

・週刊サッカーダイジェスト
サカマガの100倍上を行く。さすがに毎週ではないけど、まあ買いますね。

・Number
文藝春秋社が誇るスポーツ誌。スポーツ好きの人間にとっては最高に面白い雑誌だろう。他誌が休刊に追い込まれる中、よく頑張っていると思う。ネタによって買うかを決めている。最近は、何となくサッカーが多いかな。

こんな感じ。

音楽、映画、ファッションに関連する雑誌は読んでない。故に、あれ程までに好きだった「日経エンタテインメント!」も卒業した。人は変わ