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2012年2月の3件の記事

マダム

日本橋のカフェの喫煙席。

三越の紙袋を両手一杯に持ったマダム2人組が入ってきた。ショートカット銀髪の方がコートのポケットからメンソールのタバコのソフトパックを出してテーブルに投げた。荷物を下ろして席に着くやいなやタバコを1本取り出して火を点ける。

横を向いてから、フーっと勢いよく紫煙を吐き出す。満面の笑み。相方―茶髪に染めた長い髪のマダム―は静かにコーヒーを啜っていた。

茶髪が話し始めた。
「ニートって言葉あるでしょ?なんで最近の若者は働こうとしないんだろうねえ」

銀髪が返す。
「ホントよね。学校出たら働くのが当たり前だと思っていたわよ。周りにそんな人いなかったしね。そんな人がいるのが不思議でしょうがない」

「仕事を選り好みしてるから働け無いのよ。要はわがままなだけ」
「親が甘いと思わない?無理矢理にでも働かせりゃいいのよ」
その後も言葉を重ねて、ニートをこき下ろしている。

マダム2人は見るからに金持ちそうだった。身に付けている衣装は一瞬で高価と分かるモノだった。つまりは、センスの無い富裕層が好んで着る派手な上にダサい服であった。

こと金銭に関しては不満を感じた事がないだろう。貧乏人には、三越で両手が塞がるほどの買い物は出来ない。いや、そもそも日本橋三越になんか来る事すら無い。

彼女達には、労働する意欲があり、本気で就職活動を行なっても、職を得ることが出来ない若者が五万といる事を理解できないのかも知れない。

銀髪が2本目のタバコを吸い始めた。ニートの話題はまだ続いている。

お前等みたいに人生が上手くいってるヤツばかりじゃねーんだよ。本人達は好きで無職を続けている訳じゃないし、決してそれが良いとも思ってないんだよ。この辛さは実際に体験した人間にしか理解出来ない。

元ニート。かつての自分の事を蔑まれている様な感覚に陥った。オレはただ運が良かった。新卒という特急券を失い、強力な武器を持っていなかったが、何とか暗く淀む沼から這い出す事ができた。

自分を引き上げてくれたのがであるかはよく分かっている。本当に下らない話だ。1つ言えるのは、15~19歳の時、そこら辺の人よりは懸命に勉強しておいて正解だったという事。

人を見抜く力を持ち合わせている人などそう多くない。みんな飾りに騙される。採用のプロだと?笑わせるなよ。本当にプロならば早期退職しない人を選べるだろうが。

色々な事が頭を巡る。気分が悪い。

マダムのテーブルの灰皿に吸いカスが溜まっているのが見えた。

下品で派手な熟女2人は、知ら間にスカイツリーの話で盛り上がっていた。

腕時計を見て、予定の時間を少し過ぎている事を知る。オレはマダム2人に一瞥をくれて店を辞した。

利益を生んでみようとしてみた

経理だけど。

弊社にはそこそこの余剰資金がある。だが、その資金を上手く活用していたかと言えば全然そんな事は無い。これまでは、ただ漫然とメインバンクの担当者が勧めた金融商品を付き合いで買う(買わされる)みたいな感じであった。

そこで一石を投じてみようと思い立った。半期の目標シートにわざわざ「有効な資産運用」という項目を設け、能動的かつ多少リスクを伴った資産運用を提案していみたのである。

Kingの保守的過ぎるマインドは重々分かっているので、却下されるかなと思ったが、意外にもボスからは「やってみろ」という言葉を頂いた。

11月から証券会社の営業さんと協議を重ね、12月にとある投資信託を購入する事に決めた。半期の目標なので遅くとも3末までに「分かり易い」結果を出さなければならない。これはなかなかに厳しい制約である。

与えられた時間が3ヶ月弱であるのに、元本の5%というリターンを狙うという事になってしまった。3ヶ月で5%、敢えて年率で言えば20%である。リターンを年率1%上昇させるのがどれだけ難しい事か。少しでもマトモに投資をやった事がある人ならよく分かる筈だ。

しかし、評価者たるボスも、ヘッドもKingも投資とは無縁の人生を歩んできた人。5%くらいはいけるものだと思ってたかも知れない。

その投資信託を先週、売却した。5%に届いたから?答えはNOです。さすがに5%は厳しいと感じたので一定の数字で妥協する事に。税引前で4.2%強のリターンを確保。期間は約2ヶ月。手仕舞いの注文をする際、証券会社の営業の方からは「期間を考えれば見事な取引でしたね」という声をかけられた。

自分としても納得のいく結果を残す事ができた。結果を残したという事実が何よりも重要。これで目標達成し、自分の成果給に反映される。そんな小さい事が狙いでは無い。

しっかり考えて余剰資金を活用すれば、ある程度のリターンを得る事ができるという事を会社に、Kingに示したかったのである。資金運用をもっと積極的にやりましょうという話では無い。

オレが言いたいのは「リスクを追わなければリターンは得られないという極当たり前の法則を知りやがれ」という事だ。Kingは資金運用1つを取っても、元本が毀損する可能性があるなら、それは絶対やりたくないと拒絶する。アホかと。

広告業界は、かつてない程の変化が簡単に起こってしまう不明瞭極まりない時代に突入している。ある瞬間を境にこれまでの方法が全く通用しなくなる事態が訪れても全く不思議じゃない。だが一方で、リスクを取って未知の分野に飛び込めば、多くの利益を得る機会にも恵まれるかも知れないのだ。少なくとも、リスクを取らずに同じ事をやっていれば何とかなる時代では無い。

利益を生まない部門と揶揄され続けてきたが、少なくとも経理部は2ヶ月で利益を生んだ。それは紛れも無い事実だ。

Kingよ、あなたは2ヶ月でこの利益を生むことができますか?利益を生まない部門とか言うのだったら、この言葉をお返ししますよ。

国語の文章読解問題

オレは実は池上彰のフリークである。

池上彰はニュース解説番組だけの人では無い。その知識と、これでもかと噛み砕いて物事を伝えるお馴染みの姿勢で、様々な本を著している。経済、時事、宗教などのちょっぴり複雑な事を徹底的に分かり易く解説している、そんな本が多い。


最近読んでいた彼の本にこんな事が書いてあった。

「最近、自分の文章が入試問題に利用される機会が多い。問題を解いてみようと思って、選択肢を見た。

『傍線部に関して、筆者の言いたい事を次の5つの中から1つ選べ』
・自分が言いたい事が1つも無い
または
・言いたいと思った事が書いてある選択肢が2つある

こんな感じなのに、問題に対する正当は確かに存在し、それで合否が決まる。やり切れない」

国語の読解問題は、作者ですらマトモに解答出来ないのである。結局、問題作成者が作者の本当の意図を無視し、正当らしきモノ(本当の意味で正当では無い)を自分勝手に決めている訳です。

国語の教師がよく言う、「本をたくさん読みましょう。そうすれば読解問題が解ける様になりますよ」は嘘であると証明された。読解問題では、本当の意味で、作者の意図を読み取る能力など問われていない。問題作成者が決めた正解の選択肢を選ぶ技術力が問われているのだ。

面白い小説を読んでも、そのノウハウは身に付かない。読解問題を数多く解き、こういった質問をされた時は、こんな感じの選択肢が正解になるというパターンを覚える事が大事なのである。

国語に限らず日本の入学試験、もっと言えばテスト全般は全部こんな感じだなあと思う。パターンと解法、そしてテクニックさえ身に付ければ、予め与えられている正解に辿り着ける。逆に言えば、いわゆる難関校に合格するためには、最低限、解法とテクニックを見に付けていなければダメ。さもなければ門前払いを受ける羽目になる。でも入試なんてそれだけ。

正解が与えられているというのがポイント。

だって、仕事や人生には正解が無いから。正解はあるのかも知れないが大抵の場合、それが見えない。ちょっと先は真っ暗で本当に全然見えない。それでも、もがきながら己が良かれと思う方向に進んで行かねばならないのである。

高学歴なのに(仕事で)使えないとか言うなよ。高学歴を何だと思ってるんだ?

彼等は、解法パターンを丸暗記し、試験に合格するためのテクニックを駆使し、予め与えられた正解に辿り着く能力に長けた人なんだぜ。それ以上でも、それ以下でも無い。

中には「正解が見えない局面」では上手く行動出来ない人もいるでしょう。だって、拠り所である「確たる解法パターン」が存在しないのだから。

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