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2008年3月27日 (木)

中途半端ですわ

山川健一/ニュースキャスター★☆☆☆☆

主人公の立花耕一は、テレビ中央の夜の看板ニュース番組「ナイトステーション」のキャスターを務める男。キャスター、ディレクター、取材班等の「ナイトステーション」の制作に携わる人々、高校にも行かず、日常的にコンピュータの世界に浸る、立花の息子卓也、殺人犯間宮、それぞれの視点からテレビの内情を鋭く描く。そんな話。

テレビ中央はテレ朝、ナイトステーションはニュースステーション、立花耕一は久米宏を連想させる。久米宏が所属しているのが「オフィス・トゥー・ワン」、立花が所属しているのが、「オフィス・テン」。著者もしっかりそれを認めているので、間違いないでしょう。

テレビの内情と言っても、いかにも有りそうだなというか、予想の範囲内の話というかそんなもんだった。番組に対する大物政治家達の圧力というのも別にセンセーションでも何でもない。さも有りなんという感じじゃないですか。

政治家は、己の利権を守るために何でもするような人ばっかりだと思う。それくらいの厚かましさがなければあの世界は生き抜いていけない。オレの好きな小池百合子先生の節操の無さを見りゃよく分かる。この人の嗅覚、ホントに凄いぜ。守屋事務次官を切ったタイミングなんて神懸かってる。偶然だと思うけど。政治家にとって、流れと強運も重要だ。

話が反れてしまった。

間宮が殺人に及んだ理由は非常に興味深いのだが、それも彼の妄想なのか事実なのか判然としない描き方をしている。殺されたのは彼の担当医。著者は医療問題をクローズアップさせたかったのだろうjか。それが狙いだったとしたらも全く成功したとは言えず、実に中途半端

息子の卓也の社会に背を向けるような行動は多少理解できる。親父が久米宏ばりの有名人ならそうなってしまう可能性は少なからずあるだろう。彼は、掲示板で言葉を交わしていたプロのハッカーと行動を共にするようになり、軽微な犯罪を犯す。オレの読解力が乏しいからなのか、それを通じて著者が描きたかった事がイマイチ見えてこない。サイバー系犯罪の驚異なんて今更言うまでもない。なんか、ここもピントがずれているんだよなあ。

転出届を提出し、その後原付の免許を取得し、他人に成りすます方法の描写は良かった。偽の人格を作り出すその手法は実に鮮やか。これはハッカーの基本らしい。シリアスなハッキングをし、万が一自分の犯行が特定された場合は、それまで使っていた身分を切り捨て、再び別人に成りすますらしい。『トカゲのシッポはまた生えてくる』。

様々な社会問題の要素を入れ込んだ事によって、物語がまとまりを欠いてしまい、キャスターがキャスターを続けいく事の葛藤・苦悩というメインテーマがぼやけてしまっている。

「ちょっとした物語」を作成する際、これを教訓にせねばならないと思う。

帯を読んだ時は、面白そうと思ったんだけど、読んだら全然ダメダメだった。

興味の湧いた人は読んでみて下さい。面白くないです。

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コメント

ハッカーといえば、コンピュータを駆使してすごいことをやってそうだけど、大半はソーシャル・エンジニアリングだよね。

ケビン・ミトニックが有名だけど。

ある被験者に対して、手練のハッカーA,B,Cの3人が、誰が被験者のパスワードを早く手に入れるか競った。

Aはトロイの木馬を作成し、何とか被験者のPCに入り込む。この時点でBに聴くと、まだ余裕で勝ってる。トロイの木馬がパスを送って来た時には6時間が経ってたんだけど、Cに聴いたら、5分とかからずにパスを手に入れてた。

どうやったのか聴いてみたら、電話をかけて「パスワード教えて」と言ったら、あっさり教えてくれたとのこと。Aは手段が目的になってたというお話。

まあ似たようなことは、円城寺研でつい昨日ありましたな。。。

投稿 k1496 | 2008年3月30日 (日) 21時10分

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