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歩く人2

今更ながら、つづき。(cf. 駄文2008.2.25)

とりあえずバス停の時刻表を確認するふりをして、じっくりとそれを眺める。やはり、カギがついていない。そして、すぐに持ち主が現れる様子もない。人通りも限りなくゼロに近い。

寒風に身を晒す厳しさ、新宿までの距離、軽犯罪、最終的に放置する場所、成功する確率、失敗のリスク、手袋無しでそれを運転する厳しさ、常に胸を強調した服装をしているほしのあき、未知のファミレス和食さとのメニュー、ヴァーミリアンの圧倒的勝利、歯止めがかからない原油価格の高騰、様々な事が頭の中を去来する。

迷いに迷ったが、結局、オレは何もせずにそこを通り過ぎたのであった。己の胸の内にある良心に従ったまでである。他人に迷惑をかけてはいけない、こんな事、幼稚園児でも分かる。説得力に欠けるかも知れないが、悪魔に唆され、思いついた悪事を実行するような弱い人間にはなりたくない、この時は間違いなくそう事を思った。

しばらく道なりに進むと、上り坂となっていた。都内での徒歩は辛くないと言ったものの、これはなかなか大変だ。寒いので、無意識に足が速くなる。一体、新宿にはどのくらいで着くのだろうか。見当もつかない。ただ、電信柱に書かれた地名は、「北新宿」。意外とすぐ近くなのかも知れない。

「北新宿」?という事は、このまま大久保通りを東へ進んでも新宿には着かないな、多分。行き過ぎると、大江戸線牛込柳町駅に到着する事になりそうだ。どこかで右折して南へ向かわないと駄目だ。飽くまでも、目的地は無印良品。それを忘れては元も子もない。

次の交差点で右に曲がる。大久保通りに別れを告げ、小滝橋通りへ入る。このまま真っ直ぐ行けば、間違いなく新宿駅西口方面へ行ける筈。ただ、距離感は一切分からない。陽が低くなり、寒さはどんどん増してきている。寒さは様々なやる気を奪い取る。日曜の夕方にオレは一体何をやってんだろう。やっぱり、うす汚れた銀色のあれをどうにかするべきだったかも知れない、そんな穏やかじゃない思いも、チラついた。

無印良品中野マルイ店という文字が書かれたあのサイトに騙された人は他にいるのだろうか。きっといる。そう信じたい。じゃなきゃ今のオレが救われない。騙される奴は間違いなく注意力に欠ける人間だろう。自分の事を棚の上の、埃をかぶった人生ゲームの箱の上に挙げて、その人を笑ってやりたいね。彼もオレを見て笑うだろうな。

そんな下らない事を考えている間に、交差点に辿り着いた。交差点名は「新宿百人町」。このまま真っ直ぐ行ったらどうなるか、先は見えている。そんなの全然面白くない。という訳で左折してみる事にした。

距離感はさっぱりだが、位置関係はなんとなく分かるような気がする。現在地は駅の西側で、北側。交差点の向こうにはもう線路が見えている。あのガードの向こうが東側だ。

新宿は西口より東口方面の方が遥かに馴染みがある。オレがよく足を運ぶ場所―紀伊国屋、WINS、バルト9、バグース、スポーツバーVIVA SMAP―、大学の友人達と待ち合わせをする場所、そして今日の最終目的地である無印良品も東側に位置している。

左折後、気付く。ここを歩くのは初めてだ。だが車で通った事はある。確かこの先に、ドンキホーテがあったと記憶している。

空は一段と明るさを失いつつあり、夜の訪れを予感させた。

つづく。

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