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骨の髄まで染みた

重松清/ビタミンF★★★★☆
いずれも30代後半から40代前半の極普通のリーマンであり父親である男が主人公の7つの短編集。直木賞受賞作品。

直木賞とオレの愛称はすこぶる良い様で、受賞作品でつまらなかったと思える小説は今迄なかったように思う。よって、読む前からある程度の期待を持っていたのだが、今回もその期待が裏切られる事はなかった。

家族モノであり、ヒューマンモノである。

主人公は、日本の父親の多くがそうであるように、自分と家族との距離感に戸惑い、子供とのコミュニケーションにも苦慮している。彼等はそんな状況下で、どこの家庭でも起こり得るであろう問題に直面し、もがき、苦悩する。

自分に突きつけられた問題の根本的な解決は無理だろうと半ば諦きらめつつも、前向きに行こうと努力をするのである。懸命に努力はするのだが、やはり問題はスッキリ解決しない。

どの話も切なくて、苦しくて、やり切れない感じなのだが、それでも読後は心がじんわりと温まる。主人公の行動に勇気付けられ、『よし、頑張ろう』という気持ちになれる。「家族」という存在は、実は自分の拠り所になっているのかも知れないと、柄にもない事を考えたりもした。

悩んでいるのは自分だけじゃない。それを外部に表現するかしないかは別として、みな何かを抱えている。だから、あたなも勇気を出して、前へ進んでみよう。そうすれば乗り越えられるかも知れない。

そんな、チープなドラマにすら出てこないかも知れない青臭いメッセージが散りばめられている。マジで染みるよ。

「泣ける」と評判の重松清、読む人が読んだら物凄く泣ける話なんだろうなと思った。オレは人生経験が浅いので、まだまだその境地には至れなかった。

金を大量に注ぎ込んで、ド派手な映像をこれでもかと浴びせてくるハリウッド映画に飽き飽きしている人に読んで欲しい本。

平凡な人生?ドラマティックじゃない人生なんて存在しないぜ。

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