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九段下

最近、よく行く場所だ。行く度に好きになる。出来る事なら住みたい。そんな事を思うようになってしまったくらいである。

よく足を運ぶ理由は、2つ。馬券が売ってる水道橋に近く、交通費が一切かからない駅だからである。

交通費がかからないという条件については、東西線上の多くの駅が該当するのだが、大手町、日本橋じゃちょっと遠いし、人が多過ぎる。そして、都会過ぎる。休日の午後を過ごすにはちょっと騒がしいと感じてしまう。

九段下はいつも変わる事無く静かである。落ち着くのにもってこい、街にはそんなゆったりとした心地良い空気が流れている。


先週末、菊花賞の興奮冷めやらぬ中、あぶく銭を手に、どの街へ繰り出そうと逡巡したが、都会へ足を向ける気にはならなかった。手に入れた金を、その日にばらまいてしまう程、余裕がない事が都会へ向かう気持ちを抑え込んだのかも知れない。

そこで、水道橋から白山通りを南下し、神保町の古本屋街まで歩いてみる事にした。

久しぶりの古本屋街である。ここに来ると、どうしても北原梨奈の写真集を見て、歓声を上げた瞬間に店員に本気で怒られた、あの日の事を思い出してしまう。未だに何故あんな剣幕で怒鳴られたのか理解できていない。だが、あれはあれで良い経験だった。

そう言えばあの当時、本当に地下鉄について、ほとんど何も理解できていなかった。どの路線がどの駅で接続するかという知識はもちろん皆無であり、それ以前に、どの駅が東京のどの辺りなのかすら危ういという状態だった。

しかし都民になって5ヶ月余り、当時とは違う。オレは都民になったその日に、「今日から俺、東京の人になる。せっせせっせと東京の人になる」と心に誓ったのである。

近くて遠い街だった東京のバカヤロー。だが、暮らしてみると、実は良い場所である事に気付かされる。遊ぶのも、美味いモノを食うのも、何するにも全く困らない。あんな人の多い場所、住む場所じゃないと言い張っていた若き日の自分を恥ずかしく思ってしまう。

古本屋街で本を物色するが、これはと思う本に出会う事はなかった。そこで、オレは吸い寄せられるように九段下へ向かった。神保町と九段下は本当に近い。愛用の黒のベロアジャケットに両手を突っ込みながら、靖国通りを西へと歩いた。

靖国通りと専大通りがぶつかる「専大」という交差点で、北の方向を見ると、デカい黄色いビルがはっきり見える。90分前のあの熱気が脳裏をよぎる。ふと、ポケットの中の手で、財布の厚みを確かめてみる。やはり勝利の味は格別だ。

九段下駅前のスタバに入る。九段下に来ると、必ずと言って良い程、行く場所である。この店の2階には「良い椅子」が置いてあるので、長居するのに適している。

オレは、この「良い椅子」に腰を深く沈めながら、ゆったりと小説を読むのが好きだ。店に着く頃には、夕闇が辺りを侵食し始めていた。最近、夜が早くなったと実感する。秋はゆっくりと、しかし着実に深まりを見せているようだ。

2時間程、読書を楽しみ店を出た。

外はすっかり夜だ。吹いてくる風が多少冷たく感じる。

明日から、また1週間仕事だな。ちょっと憂鬱。でも、ポケットのあぶく銭の存在がその気持ちを和らげてくれた。

週が明けたら、普段お世話になっている人達に、ご飯でも奢ろう。どうせ、あぶく銭なんだし。そんな事を考えていると、少し元気が出てきた。


BGM
BON JOVI/These Days
BON JOVI/My Guitar Lies Bleeding In My Arms
BON JOVI/(It's Hard) Letting You Go
BON JOVI/Hearts Breakig Even
BON JOVI/If That's What It Takes

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