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爽快で、痛快である

最近、読破した小説の感想を。

三浦しをん/「風が強く吹いている」★★★★★
素晴らしいの一言に尽きる。超ストレートな青春群像モノ。何よりも箱根駅伝をメインテーマに据えた事が賞賛に値する。何故ならオレは小学校時代からずっと箱根駅伝のファンだからだ。余りある才能に恵まれながらも、挫折を味わい、走る事をあきらめかけていた男2人と、全くの陸上シロート8人が、1年足らずの期間で箱根駅伝を目指す。

はっきり言って、この構成メンバーでの箱根出場は有り得ないと断言できる。ファンとして毎年接してるだけだが、予選会を勝ち抜く事がいかに困難であるか多少は分かっている積りだ。絶対に無理がある。だが、そう思いながらもページをめくる手が止まらないのである。小説はフィクションであり、ご都合主義は付き物だ。決して、リアルだから優れている訳じゃないのである。

個性豊かな10人のキャラクターは味が有り、読み手を退屈させない。彼等の掛け合いが、時には笑いを、時には感動を呼び起こす。

長距離走それ自体、己の肉体と精神との対話であるが、各メンバーも走りながら自分自身と大いに対話する。仲間、将来、好意を寄せている女性、走る事の意味等々について、内に秘めている思いを明らかにする。

テンポの良い文章で非常に読み易く、筆者の筆致の上手さに感心させられた。

読後感はタイトルに付した通り。余りにも爽快で、痛快である。

しかし、現実の箱根駅伝はもっとドラマチックである。優良小説「風が強く吹いている」が霞んで見えなくなるくらいに。井上雄彦氏もスラムダンク15巻でこう語っている。
『(前略)現実の試合は時にもっとドラマチックだ。悔しいけどそうなんだ』

第83回箱根駅伝が今から楽しみだ。母校のシード権獲得を切に願いたい。

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